自分流悪路走破考察


救助支援工作車

[2002-09-04]

救助支援工作車
僕がこのクルマの性格をあらわすのに最もふさわしいと思っている言葉です。 救助工作車と名乗るのはあまりにもオコガマシイので「支援」と付け加えているのがやや消極的(?)。 とりあえず普段から常装しているのは、ハイリフトジャッキ、ガレージジャッキ、ダルマジャッキ、 パンダグラフジャッキ、トウロープ(1・2・3m)、ワイヤー数本、チルホール(TU−16)、 S字シャックル、電動ウインチ などなど。必要に応じて、ハンマー、大鉈、鎌、グレーチング、 ツルハシ、鍬、鋸 などが載ることもある。こういう「趣味」をもっているのでさらに積載能力の 無いジープやジムニーなどには手が出ません。今のところ70幌クラスが僕が乗れるサイズでは最も 小さいかな?と思っている。
 僕が最初に自分のウインチを使って他車のレスキューをしたのは最初に乗っていたランクル60の 時でした。岡山県南に羽鷲山スカイラインというのがあるのだが、料金所を出た付近で後ろから追い こされたクルマにサイドアタックを食らって、側溝に左側を前後とも落としていたブルーバードが いた。なにやら5〜6人ほどの大人が寄ってたかって見ていて、パンダグラフジャッキで持ち上げよ う努力しているのだが、ボディの柔らかい処しかジャッキが入らないので苦戦していた。僕が 近寄って「引っ張りましょうか?」と聞いたら「お願いします」とのことでしたので、ブルーバード の右前方からPTOウインチを使って牽くことにした。僕はクルマから出て、クルマの状態を確認し ながら、車内のかみさんに操作してもらって引っ張った。この時した失敗が、オジサンに「絶対にア クセルを吹かさないでね」と言うのを忘れていたことだ。引っ張った途端にタイヤを勢いよく廻して しまったので、タイヤのサイドウォールを側溝の角で切ってしまってパンクさせてしまった。それで もなんとか引っ張り出せたので、スペアタイヤとの交換だけ手伝ってその場を後にした。こんなこと で感謝されるんやと妙に感動したのを覚えている。

 それからしばらくの間はトライアル(自走オンリー)に狂っていて、ウインチは外していたの でレスキューは他人任せだったのだが、70幌に乗ってウインチを載せるきっかけになったのは自分 を引っ張り上げるという目的以外にも、できる限り人の役に立てようと思ったからだ。とにもかくにも また電動ウインチを積んで、レスキュー用品も載せるようになってからは、機会があれば積極的に他車 レスキューに励む事にしている。会社の通勤路からちょっと離れた処で、狭い道でさらに左右に側溝 があるイヤラシイ道があるのだが、僕が覚えているだけで少なくとも5回は引っ張り上げたことがあ る。またこの道は側溝に落ちたら、壁にクルマが張り付くので、いつものように斜め前から牽くと クルマの側面をギタギタにしてしまうので、自分が載せている小型のガレージジャッキを使って持ち 上げてから真横から引っ張ってやれば、ガレージジャッキにコマがついているのでラクに真横に動か せて具合の良いということに気が付いた。

 また最近は河原で入れる場所が激減したので牽く機会も減ったが河原ではまった車を引っ張り上げた ことも結構多い。過去にレスキューしてあげて、謝礼を貰ったことがある。最初のレスキューの時と 県北で雪の壁に突っ込んだランクルを引っ張ってあげたときの2回だが、今にして思えば非常に後味 が悪い。ということで僕は今後一切謝礼は貰わないと決めているのだが、呼ばれて行く時は高速代を ありがたく頂くこともあります。まぁ、これくらいなら良心も全く痛まない。

 「他車をレスキューする」と簡単に言いますが、結構難しい面も多い。まずクルマというのはお金 が掛かっているので、被救助車を傷付けない様にするのもタイヘンだ。最近のクルマは特に牽引フック などを持たないので、どこを使って牽くのか悩み倒すことも少なくない。新型ジムニーを引っ張った 時など特に悩みました。牽引フックは無く、ファーストメンバーは非常に華奢に出来ていてロープな どを使って牽くことは出来なくて、Fホーシングにロープを掛けようとしたらブレーキラインがあって 、さらにリーディングアームに掛けようとしたら、エアハブ用のホースが通っていて掛けれないと およそクロカン車とは思えない様な造りになっていた。結局ホイルにロープを掛けて持ち上げる様に して引っ張り出したことがありますが、後からそのハナシを某向こう岸の親分にしたら「ホーシング のブレーキラインを浮かせてロープを通せば良かったのに?」と言われて「ガーン・・」ときたこと があります。やっぱり経験や知識や装備が物を言う世界なのよねぇ。

 ハナシは戻って、引っ張る前にはメリット、デメリットをキッチリと説明する様にしている。例を あげると「○○して引っ張りますが、こうするとバンパーの下部に傷が入るかもしれません。また、 この牽引フックがモゲたりすることもありえますが、よろしいですか?」とか「○○して引っ張れば おそらく脱出出来ると思いますが、もしかしたら出れないかもしれません。もしそれで宜しければ 引っ張りましょうか?」などという説明は怠らずしている。また「出来るだけ最善を尽くしますが、 もし傷が付いたり、さらに状況が悪化する様な事態になるかもしれませんが、僕は一切賠償しません がそれでも宜しいですか?」と必ずはっきりと聞く様にしている。せっかく善意でした行為でも、 賠償責任が自分に跳ね返ってくるケースも少なくないということだ。善意ですることだからこそ、 長続きさせようとするならそこらへんはキッチリと押さえておかなくてはなりません。

 一年ほど前まで、ボディの側面にデカデカと「RESCUE」と「救助支援工作車」と貼っていた が、人によっては誤解して受け止められていたらしい。確かにトライアルや普段のクロカン時にも 喜んで他車レスキューに励んでいるが、それの為に貼っていた訳じゃない。あくまでも僕としては、 災害時の救助支援や一般道での活動の方に重点を置いているつもりである。さすがに本職の方の目の 前でデカデカと救助(支援)工作車と名乗るのに恥ずかしさがあったり、会社などでも目立ちすぎる ので側面の物は剥がしてしまって今ではリアゲートに小さく残っているだけだが、これはそういう意 味がある言葉なのです。



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