自分流悪路走破考察


「エンジンを粘らせる」ことへのこだわり

[2003-09-24]

 ランクル=「這う」というイメージがありましたが(逆に言うと、這わせないで飛び跳ねる走りを すると壊れる)、ここ最近、異常に「這う」ことにコダワっているので「ランクル乗りですら まともに『這う』ことを使えてなかった」ってことに気が付きました。先日も試しに二人のランクル 乗りの男の子に「極力エンジンを粘らせて走ってみて」と注文をつけて走ってもらいましたが、こと 「限界までエンジンを粘らせる(粘らせ続ける)」というのを高いレベルで実行するにはまだまだ 相当の鍛錬が必要だと思われました。もう少し、エンジンを粘らせてやってゆっくりとタイヤを ジワジワを廻してやってもグリップしながら這っていけるのに、あっけなくアクセルを踏んで しまってるので「あまりにも簡単に」、「あまりにも面白味なく」前進させてしまっています。 今まで自分のクルマにタコメーターが付いてなかったので判らなかったんですが、クルマ全体が ガタガタいい始める回転数(超超低回転域)というのは400〜200回転辺りだったんですね〜、 ちょっとビックリです。

 「エンジンを粘らせる」という感覚は、私の車でいうと、ロー1速で平地を這っているときには クラッチを繋いだまま、ブレーキをグーっと踏んでいきます。最初のうちは「ドドドドドドド・・」 と軽快に廻っているエンジンも強くブレーキを踏んでいくとだんだん「ドド・ドドド・ドド・ドドド ・・」とギクシャクとした廻り方になり、さらに踏むと「ガタガタガタガタ!」とエンジン、 ミッション、ボディが揺れてきます。この状態で、ちょっとでもさらにブレーキを踏んでやったり 地形に引っ掛かりがあったら簡単にエンストに陥りますが、私的にいう「異常に粘らせて走る」 状態というのは最後の段階の「ガタガタガタ!」とエンジンやミッションやボディが暴れている 状態を続けることです。

 「エンジンを異常に粘らせる」ことにコダワリ始めたのはエンジンの粘りでは定評のあるJEEP・ J53、J55の「グワァラン、グワァラン・・」と異常にエンジンを粘らせる走りを見て「同じ ことは出来ないにしても極力真似してやろう」と思ったからなのですが、実際にPZJ70の限界に 挑むつもりでエンジンを粘らせ続けてみたら、それまで気がつかなかったことに気付くことがあり ました。いくらか列挙してみると、、

@基本的に「スピードを落とす」ということは慣性の法則が使えなくなるので「単純に走破する」 という点では不利になるが、タイヤから伝わるトラクションやグリップ感が今まで以上に長い間、 しっかりと感じれる様になった。

A「ゆっくり動く」ということはその分、長い間、しっかりラインを読んだり、地形から伝わる 情報を処理する時間が増える。また、ラインを補正出来る時間も自然と長くなる。

B「トラクションはタイヤが空転する直前に最も得られる」というが、タイヤをゆっくり廻した時に しか得られないトラクションがある、またこれが使える瞬間は多い。それまで以上にゆっくりと タイヤを廻せれるようになるということは、トラクションを最大限度得た状態を長時間続けることが 出来るようになるということである。(ちなみにタイヤを廻す速度は2〜3秒でタイヤ1回転くらい のスピード)

Cタイヤのグリップを使い切って曲がる場合も、最大限のグリップ力はクルマの移動速度を限界まで 落とさないと得られない場合が多い。

Dクルマの移動速度を落とすので、クルマの駆動系、操舵系、ボディなどへのダメージを最小限度に 抑えることが出来る。

Eそれまでなんてことなく走破出来てしまっていた場所でも、「わざわざ走破し難いライン」などを 選びやすいので、いく通りもの楽しみ方が出来るようになる。

・・といったところでしょうか?先日も数年来通いなれている場所へ走りに行ったが、過去、何千回 かは走った場所を延々と半日近くも走り廻っていた。何も知らない人や「難所を走破することだけ に生きがいを感じる人」が見ていたとしたら「何やってんだ?こんなヘンテツも無い場所をひたすら グルグルと廻って???」と思うかもしれない。走っている当人にしてみたら、走る度に新たな 発見があったり、ギリギリの際どい操作を繰り返していたり、タイヤから伝わってくるグリップ感 を最大限読み取ってやろうと集中し続けてたりするので、ほぼ飽きることはないのだが、いかんせん 「地味」過ぎる走り(動き?)なので、特に素人の方にとっては「なにやってんだか?」と思われて しまうのは仕方のないことかもしれない。なんとも「素人受け」の悪い走り方ではある。

 先でも書いたが、単純に走破性を追及するなら「エンジンを極限まで粘らせ続ける」ということに 拘る必要は無いかもしれない。先日もガソリンエンジンの方に「極力粘らせてみて」と注文をつけ てみたら、エンジンがかぶってしまって「駄目だこりゃ〜!」ということになってしまったり、 AT車の方に注文を付けたが、エンジンを粘らせるのが基本的に不可能だったり(苦笑)と不可能 な場合もあるのだが、ディーゼルエンジンでMT車なら、「クローリング出来ない車」と揶揄される PZJ70ですらエンジンを粘らせて楽しむことが出来るので、不可能なクルマは無いと思われる。 が、PZJ70はエンストし易さも天下一品(涙)なのでこれを粘らせ続けるというのは随分と 集中力がいる難しい作業だ。

 だからといって、「貴方のクルマも高い金を掛けてでもギア比を下げなさい」という気はさらさら ない。ランクルだとファイナルを4.556以上に落とすとか、アトラストランスファーなどを 載せることなどで、1HZの「止まることをしらないトルクフルなエンジン」との組み合わせも 相まって、恐ろしく低速で這い回ることが楽なクルマにはなることだろうとは思う。だが、 そんなことは一部の金の余っている方か、クルマが宜しくないと楽しめない方か、偶然買った車が 既に這うのにおそろしく突出していたクルマだった方とかに任せておけばよい。先にも書いた様に エンジンを極力粘らせて得られるものが多いということなのだから、それぞれのクルマで出来る範囲 でキッチリと限界付近までその性能を使ってやればよいだけなのである。

 先ほども書いたが、「エンジンを粘らせることにこだわった走り」というのは必ずしも走破性に 繋がる訳ではない。現にトライアル中心の方に「エンジンをず〜っと粘らせて走ってみて」と言って みても、満足に出来た方をまだ見たことがない。成績が優秀な方ですらそうなのだから走破すると いうことに直接繋がってないということかもしれない。確かに手っ取り早く走破しようとしたり、 極力引っ掛からずに走ろうとすると最初から最後まで適度に廻しておいた方が確実性は高い。 上の方でも書いたがある程度慣性を利用するというのは賢い手だ。だが、そればかりに頼るという のも考え物だと思う。あくまで私の感想なのだが、積極的にエンジンを粘らせるようになって初めて 掴めるようになった感覚とか技能というのもあると思う。ドアを外してクロカンを初めてしたときも それまで掴めてなかったタイヤの動きや微妙なグリップ感を得やすくなって感動したことがあるが、 今回の「エンジンを積極的に粘らせる」走らせ方も、ビックリするほど得られたものは多かったと 思っている。今までもタイヤをゆっくり廻すことで得られるトラクションというのは感じていたが、 今まで使っていたタイヤの回転は今思うとまだ早過ぎたと思う。今まで半クラでしか実現出来な かった速度をアクセルとブレーキで調整出来るというのは非常に武器になると感じる。何度も書く が、有効にゆっくり動ける幅が広がるということはクロカンの幅が広がるというのもあるが、走破 重視な方も得られることが多いと思う。これを読んだ方はぜひとも積極的に試してもらいたい。



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