自分流悪路走破考察


同 族 対 決

[2002-09-17]

岩場で傾けて

岩場で傾けて遊んでます。これは30度程度のぬるい傾け方だが、ゴツゴツし た地形で傾かせる場合は揺り返しを計算に入れておかないとあっけなくコロっといくときがある。 僕の車の場合は右側のドアだけ外している場合は傾ける限界は右を上にしたときの方が上である。


キャンバー後

先日のテージャスランチにて、新しく掘った「8の字溝」で遊んでいたとき の画像です。一番傾けていたときの画像ではないが、後ろの方に残っている轍の痕を同じ70系で 当日走ってくれる方はいなかった。この後も、まっすぐ抜けたり、右にタイトターンするのは比較的 簡単なので思いっきり左に切って脱出。右前が落ちるので当然「ユ〜ラ、ユラ」するが慣れれば 平気。


キャンバー

小川さんより画像提供して頂きましたので貼り付けてみました。「後ろの 方に残ってる轍の痕を」つけている最中です。これくらいの傾きになると、前後のどちらかの タイヤが浮き始めるので、そろそろヤバイってのが判る。


小川@LCCO

画像提供して頂いた小川さんのBJ74Vです。LCCOの人は皆、賢いの で僕の悪のお誘いには誰も乗ってくれません(笑)。
 「同族対決」というのはなんやら?と思う方もおられるでしょうけど、腕を競う面においても、 自分が乗っているのがランクル70幌だということで、同じ系統のランクルが相手だと腕の優劣が はっきりと出易い。という訳で、サファリのY60短やジープ、パジェロJトップなどの比較的サイ ズの同じ位の他車種の方と腕を競い合うのも楽しいし、勉強になることも多いが、僕としては「 同族」との対決というのを非常に大事にしている。

 すぐ納得してくれる人と、「???」となる方がおられると思いますが、僕が一緒に走って腕を 競う相手で多いのは「ノーマル然とした車」です。「ノーマル然」というのはボディプロテクション やタイヤやサス辺りがちょっと替わっている位で、車高もそれほど上がっているわけではなし、エン ジン音もボウボウ、バリバリといかにもチューンドのような喧しいものでもなく、走っている処を 見ていても、別にサスペンションがとてつもなく動くという訳でもない。タイヤサイズも常軌を逸し たサイズではない。僕が腕を競う相手はそういうクルマに乗っているオーナーが殆どです。

 自分の戦闘機が70幌なので、どうしてもミニマムサイズのジムニーとでは最初から噛み合い難い のでジムニーのことはこの際、除外しておきます。まず大改造を施したクルマというのは、自分の車 が走れる処が全く走れないことも多いので噛み合いが非常に悪いです。前にも「傾いて走れない処は 多いがタイヤが大きくなくて走れない処は少ない」と書いたことがありますが、腕を競う場所に、 その大改造を施したクルマが到達出来ないことも多いのです。これではまず腕を競うことは不可能で す。ロングな方は多少仕方ないとは思いますが、ショートやミドルクラスで車高をコッテリと上げて いるクルマは僕には理解不能です。障害物を乗り越えるには大きい径のタイヤを履きたい、履く為に は車高を上げたい、車高を上げたら横方向が不安定になるのでトレッドを広げる・・などという手段 はある程度は仕方ないと思いますが、程度を超えたらかえって不利な要素を多く抱えこんでしまいます。

 bP6「悪循環」で書いたことと重複するのですが、トレッドを広げるのも僕には納得がいかない 面が多い、というのもハブベアリングやキングピンベアリング、また操舵系に対する負荷が多くなる ばかりでなく、クロカンの現場でも一概に良い事ばかりではないからだ。ある人と二日間に亘って腕 を競う機会をもったことがあるが、その時のハナシ、その人はリアのトレッドを狭くしたクルマで来 ていた(広げてないといっていた方が正しいかな?)。僕の70幌は30mmのスペーサーをリアに のみ入れて、4ナンバーサイズの限界までリアは広げている。初日は岩場が多い処をよく走ったが、 トレッドを広げた僕の車が岩で引っかかりまくったのに対して、その人のクルマは割とスイスイと岩 場をクリアしていった。その時彼から聞いたのだが、「リアのトレッドが狭い方が岩場などではライ ンを選び易いよ」とのことだった。確かに岩場ではタイヤで大きな障害物を踏む事が基本となるので、 トレッドが狭い方がラインの選択肢が格段に増えることになる。「なんや、腕だけの問題でもないん か?」と少しは安堵したが、そんな考え方もあったんかとビックリしたものです。余談ですが、次の 日は長いV字溝がメインとなって、彼は狭いリアのトレッドが災いして、何度もズリ落ちたのに対し、 僕のはリアのトレッドが広かったので楽々V字溝をクリアしていくことが出来た。キャンバーでの安 定度が増すとか、V字溝などで有利になることが多いとはいえ、トレッド拡大というのも一長一短な のだなと痛感したのでした。人によっては「トレッドを拡大するとサスストロークが増える」という 方もおられるが、そんな数字なんかは全く走破性には関係ない。

 自分がPZJ70幌に乗っていて、一番相性が悪い車は40幌です。全くのノーマルならまだなん とかなりますが、前後デフロックやパワステなどがある人だと余程腕の差がないと太刀打ちできない。 これはボディが70系と比べるとクロカン向けに出来ているとか、シャーシ、ボディとも軽いとか、 エンジンや減速比が這わせるには扱いやすい性格であることなどによる。ついでに70系のパーツを 移植してデフロックなどの近代化を図るのも比較的ラクに行う事が出来る。僕はいままで40幌の 方と2度ほど絡ませてもらって(違うお二人ですが)、2度派手に転倒しているのでどうも相性が 悪い。また、単純に車の重心や軽さの面で差があるだけでなく、昔から乗っていて錬度の高い方が 多いというのも一つの理由だろう。

 次に相性が悪いのは、やはり同じ70幌である。ただこれも意外に思う人もおられるかと思います が、4.2リッターの1HZ搭載車はそれほど怖くない。怖いのは同じ1PZ搭載車かBJ70/71 です。BJ70の頃では幌車に純正の前後デフロックの設定がなかったので、デフロックの有無で優 劣をつけるのはいたって簡単なことだが、相手がデフロックを使わないならこちらも極力デフロック を使わないので、デフロックを使わないで対戦してみると、これが不思議と大苦戦する。冷静に考え るとすぐ分かるが、BJ70は3B型エンジン(トルクフルでクロカンで這わせるに適している)+ H55F(トラック系の減速比の低いミッション)という組み合わせなので、1PZ型エンジン(吹 け上がりは軽いが、トルクフルとは言い難い)+R151F(乗用車用の減速比の高いミッション) 搭載のPZJ70が苦戦するのは至って当然のことなのだ。先に1HZ型搭載車(HZJ70/71) は怖くないと書きましたが理由は簡単なハナシでPZJ70に比べると単純に50kg以上は重くな ってしまうからである。いくらトルクフルな1HZや減速比の低いH55Fでも肝心な重さの面でい うと随分と不利である。トルクフルなエンジンと低い減速比という組み合わせは随分と魅力的だが、 狙ったラインを走らせ易いかどうか?だけがクロカンでの戦闘力の決め手ではない。グリップの悪い 所になればなるほど重たい車重というのは足を引っ張ることになる。HZJ70を相手にするなら、 知らぬ顔して相手の不利な地形に誘い込むと良い。反対に岩場などではこちらが苦労する番だが、 岩場を這うなどというのにも大トルク+大減速という組み合わせが有利なことには違いないが、ある 程度なら腕でカバーできるのも事実だ(僕には腕がないのでカバーはしきれませんが)。

 70系のクルマと対戦して、当然コテンパンにやられることもある。随分昔にある場所で大改造 を施して、34吋のスワンパーを履いた70短とヒルク戦になったことがあるが、あちらは腹下 が高い為に切り株などに腹下が当たる事がなくてすんなりと上がってしまったが、こちらは散々引 っかかりまくった挙句、左右の木にボディをガンガンぶつけても勢いを落とさない様な下品な走り にでたが、それでも登れなくて悔しい思いをしたことがある。まあそれでも今にして思えばそれほど 悔しくもないのは、あちらさんの車とでは金の掛け方が全く違うということもあるし、こちらの得意 な地形には足を踏み入れようとしなかったり、腕の差で負けたわけではないと分かっているからだ。 逆に自分が戦う相手としては、自分の車などより金もかかってなければ手間ヒマもかけてない車に 負けたりするとすごいショックですね。

 今、僕の車の前半分のボディ(ベージュの部分)になっているのは、某氏のBJ70幌だったが、 このクルマが今まで対戦した70系ではもっとも「いやらし」かった。あちらはノーマルをちょっと イジっただけのサスペンション。タイヤも235−85R16のマッテレか7.50−16のJS程 度(つまり僕のクルマと一緒)、一緒によく走っていた頃は僕もウインチレスだったので装備はそれ ほど変わらなかったが、煮え湯を飲まされたことは結構多かった。今にして思えば、自分の車よりや や軽量な車重、這うのに適したエンジンと減速比、タイヤサイズは最小限度だが、縮側を多く取る工 夫をしていたので岩場やモーグルでは姿勢が安定していたし、ノーマル改のサスペンションは車高を 上げる為にサスペンションを硬くするという悪循環から解放されていた(つまり適度な柔らかさに保 ちやすいのでトラクションの面などで優れていた)。無理の少ない改造なので、走っていて壊れるこ ともめったにない。コストもかからずに随分とオールマイティな機体でした。彼のクルマが現役を引 退するのは僕にとっても少なからずショックだったが、そのボディは今でも僕の一部となって現役を 続けている。

 もう一台、嫌〜な車だったのは同じクラブのBJ70V。通称知る人ぞ知る「ヒモパン号」だが、 これとは同じクラブであったり、クロカンを始めた時期も同期ということもあって随分と張り合って きたものです。これも今では引退しています。

 ランクルという言葉にこだわりは無い。今では90系や100系ですらランドクルーザーなのだか ら、質実剛健=ランドクルーザーという図式は成り立たなくなった。70系にもそれほどこだわりは 無い。シャーシやボディ構造に目を見張るような技術が使われているとは思えないし、必要以上に 重い車だからだが、これに乗っていて良かったと思えるのは、金を掛けずともそこそこの走破性を 持っていること、壊れないことはないが耐久性はやはり高いこと、4ナンバーで維持出来るのでコス トも抑えれること、そして何よりも多くの人が乗っているので、自分がどの程度の腕を持っているの か見失わないで済むことだ。



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