自分流悪路走破考察


BJ74VとPZJ70の運転時の比較〜オフロード編〜

 まずあらかじめ断っておきますが、僕のクロカン歴でのBJ74Vの占める割合は非常に少ない。 よってPZJほどはBJを使いこなせてはいないハズですので、判断に誤りがあると思われるが 「それはおかしいやろ」と思われる方はどんどん反撃してもらえたら嬉しい。

 BJ74で経験したクロカンはスノーアタックが主である。かみさんがBJの持ち主であるので、 ボディに傷が付く様な場所に足を踏み入れることは無いし、いわゆる一般的なクロカン仕様にも していないが、スノーアタックだけはさせてもらえる。ギア比の高いPZJ70でクロカンしている と、どうしてもローレンジ・1速を中心に使うことになるので、同じ感覚でBJを運転すると前にも 書いたが「踊るランクル」になりやすい。ある時、BJでスノーアタックに行っていて、PZJと 同じ感覚でロー・1速でアタックしていたら、ことごとく車自体が暴れて(つまり踊るランクル 状態ですね)狙った走りが出来ないわ、周りのギャラリーに笑われるわで頭にきたことがあった。 「なんじゃぁ〜この車!使いにき〜の〜!(なんだこの車!使い難い!の岡山弁)」と舌打ちして も意味が無いので、周りのBJ71・74(13B−T)使いの人の走りをじっくりと観察して いたら少しは13B−Tの使い方が見えてきた。

 簡単にいうと、アクセル操作に対して少し敏感過ぎるエンジンであるみたいだ。低回転で廻して いるときは殆ど気にならないレベルなのだが、1600回転以上を使う場合などでは、ちょっとだけ アクセルを緩めたら「ガクッ!」とエンブレが効いて、またちょっとだけアクセルを煽ったら、 ビックリするくらいドン!とエンジンが廻ってしまう。車が揺すられることで生じる運転手の足先の 動きを過度にアクセルペダルがひろってしまうことで「踊るランクル状態」に陥り易く、狙った 回転数を維持するのが難しいのだと判ってきたので、13B−Tの得意分野であるアイドリング付近 のトルクの太さや粘りを利用するのが良いのだと気が付いてきた。

 簡単にいうと負荷の大きい処で発進する場合を除いて、PZJとは比較にならないほど2速を有効 に使うということである。ギクシャクする回転数でもないし、エンジンが粘ることで勝手に車の方が タイヤの回転数を適度に調整してくれるので、それまでと比較にならないほど、足の裏や腰で感じる トラクションが増すし、実際ラクラクと走ってくれるようになった。

 もう一つ、前々から気になっていたのが「バウ!バウ!バウ!バウ!」とアクセルをリズミカル に吹かせるのを、特に13B−T使いが多用することだった。自分で操る様になって気が付いたのだ が、PZJ70では比較的タイヤの回転数をアクセル操作だけでこまめに調整するのはたやすいのだ が、BJ74では先にも書いた様に低いギアを使わなければいけない場所で踊りやすいので調整が 難しくなる。そこで「バウ!バウ!バウ!バウ!」とアクセルをリズミカルに吹かせてやると、 100%のトラクションが得られるという訳では無いが、ある程度のトラクションは簡単に得られる。 地形による揺り返しなどの影響を受けることも少なく、それほど技量がいる訳でもないので、僕の 様な「にわか13B−T使い」には重宝する技だと感じた。トラクションはタイヤが空転する直前に 最も良くかかるという。実際その通りだが、この方法だとアクセルをリズミカルに煽る回数分だけ 「タイヤが空転する直前の状態」を作れるという訳である。理想をいえば、いわゆる「セナ足」の 様にアクセルを微妙に調節しながら最大限度のトラクションを稼ぎ出すという走り方が良い 訳なのだが。まあ上手い13B−T使いはこれからも注目しておきたい。おそらく1PZ使いとは 比較にならないレベルでのアクセル調整をしていることだろう。

 ちょっと余談だが、たまにヒルクライムなどで「偽セナ足」の様なテクニックを使う方がいる。 タイヤが空転しそうになったらアクセルを緩め、トラクションが回復してきたらまたアクセルを 踏んで・・という操作を短時間で繰り返していくのが「セナ足(クロカンでは使わない言い方か なぁ?)」なのだが、ヒルクライムの最中の、「セナ足」が要る場面ではひたすらアクセル開度が 一定なのに、ほぼ登りきった辺りになってから思い出したかのように「バオバオバオバオ」とアク セル操作をする方がいる。本人じゃないので詳しい意味はわからないのだが、おそらくアクセル ワークを使っているというのをアピールしたいんじゃないかな?と思ってます。どちらにせよ下手 なのはモロバレなので僕の前ではしないよ〜に。口撃のネタにさせてもらいます(笑)。

 PZJ70であるが、久しくノーマルのギア比(ファイナル:4.111、ローレンジ:1.963) でクロカンしていた。この状態だと殆ど全ての場所はローレンジ・1速で事足りる、というかローの 2速はギア比が高すぎて使える場面が恐ろしく限られている。ロー・2速を普段から多用しなかった のがBJ74が使いにくいと感じる事に繋がったと思う。ノーマルのギア比で困るのはやはり岩場を 中心とした大減速・大トルクを必要とされるシーンである。エンジンの性格は多少エンストする直前 のフィーリングが判り難い(慣れたら問題なし)程度で、反対に2000回転以上などの高回転域で は素直な性格で使い易い。よってギア比を適正にしてやれば劇的に使い易くなる可能性がある。

 現に僕のPZJ70ではお約束のローレンジダウンを施して、ノーマルギア比の「岩場ではとても 使いない」が「まあ多少は使える様になったかな?」程度までは改善された。それでも総減速比だけ で比べてみると、BJ74(ノーマル)がロー・1速で39.082なのに対して、ローレンジを 2.295に換えたPZJ70のロー・1速で40.692なので、やっとローレンジダウンして 「BJ並み」に戻った訳だ。なお、この場合の比較でもエンジンの粘り強さもあってBJの方が 岩場を這わせるには多少使い易い。話をPZJ70のローレンジダウン車に戻すが、実はローレンジ ダウンでの効用はロー・1速よりロー・2速(ロー・セコ)が格段に使い易くなった方が大きいと 思っている。それまで余程の事が無いと使えなかったロー・セコが面白い様に使える様になった。 ノーマルギア比ではそれほど差のなかったロー・セコとハイ・ロー(ハイレンジ・1速)のギア比が 18.802(ロー・セコ):17.730(ハイ・ロー)なのに対して、ローレンジダウンでは 21.982(ロー・セコ):17.730(ハイ・ロー)と多少なりとも開きが出てきたので、 ある程度は使い分けが出来る様になった。

 だが実際はまだ総減速比的にいうと不足していると感じている。今でロー・ローが40.692 なのだが、これが50付近まで落ちてきたら随分と岩場やゆっくりと這う必要がある場面では有利 になるだろうと予想されるし、実際、HZJ70などでファイナルダウン(4.556)&ローレ ンジダウン(2.295)している車にちょっと乗せてもらったりしたら総減速50.638という 大減速&トルクフルなエンジンという組み合わせで、およそ自分の車とは全く違ったフィーリング を体験出来る。

 でも実際どうなんだろう?それが果たして自分にとって良い事なのだろうか?と思うことが多い。 まず理想的にいえば、H55Fなどの「ギア比は低いがギア比が広いミッション」は既に時代遅れ であろう。耐久性が全てに勝るという考え方をすればそれでも良いのだが、やはり理想により近い 形でいえば前にも出した80系のミッション・ファーの関係の様に「ミッションはほどほどのギア比 でファーで大きく減速させる」という組み合わせだろう。そんな訳で前回「随分と魅力的な話だ」 と書いた訳だ。それと大減速を得たからといって、車に負担をかけたのではあまり意味が無いように 思う。例えばの話だが、BJからP/HZJに70系が変わってからフロントデフは9.5吋から 8吋へと小さくなった。僕の周りでフロント8吋になった70系や80系でファイナルを4.111 から4.556に換えるというのは一時期流行したし、今でもやっている方が多いがデフにトラブル を発生させた方もまた多い。確かにフロントデフを割っても、その日はシャフトを抜いたり、フリー ハブを解除させて帰宅するのはたやすいのだが、僕にとってはデフの部品代&修理代というのは バカにならない。またローレンジダウンも80系パートタイムのHF1A型を流用出来るならそれほ どトランスファー自体の耐久性は問題なかろうと思われるが、ファーやミッションで既に大減速して おくということは、その先にあるデフに負担をより多く掛けるということである。また最近は豪州 製のローレンジを3倍程度まで減速させるギアが発売されていたりして、涎が出ることもあるのだ が、コストパフォーマンス的に見たり(20万円近くもする、2.295のローレンジダウンでは 3万円強で済むというのに)、トランスファー自体の強度は本当に大丈夫なの?という不安がある ので現時点では購入対象にはならないだろう。ミッションやファーが壊れたら自走で帰れなくなる ので特に注意が必要だと思う。まれに4速ミッション(H41Fだっけ?)搭載車の40系で ファーケースが割れて自走不能というトラブルを聞くこともありますしね・・。

 今のところこのギア比で別段不満はない。多少ギア比が悪い程度なら腕でカバー出来ると前にも 書いたし、「ある程度」で辞めておくというのもチューンのうちだろう。そのうち34吋以上の サイズのタイヤや魅力的なミッション・ファーなどが格安で手に入ったら、またその時は考え方も 変わるだろうが・・・(苦笑)

 最後に付け足すが、車やエンジンの性格がどうのこうの重箱の隅をつつくのを喜んでいる訳で はない。その車やエンジンの性格を正確に掴めば操るのに少しでも役に立つと思うからだ。僕は 車の構造フェチじゃないので、例え「踊るランクル」が自分の愛車でも全く構わない。僕からして みたら、構造的には素晴らしいかもしれないが、元々の強度が足りなくて「なんでこんなことで 壊るの?」という車の方が圧倒的に罪が重い。僕の価値観ではどれだけその車の性能を上手く 引っ張り出せるか?が重要なのである。走破性の限界まで使うというだけじゃなく、使う人 にあった使い方をキッチリ出来ている人は僕にとっては尊敬に値するのだ。



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