自分流悪路走破考察


クロカン前の儀式

[2003-08-20]

 クロカンをする前にする下準備は人によってはさまざまだろうと思うが、私の場合もいくつか おきまりの「儀式」がある。普段からレスキュー用品はなるべく載せておくようにしているので、 クロカンに行く前に特別載せなければいけない物は無い。「普段、要らないレスキュー用品は降ろ しておけば?」と言われそうだが、一応私のは「救助支援工作車」と表示しているし、災害 ボランティアの方ではレスキュー用品を常に車に載せておいて災害発生時に役に立ててもらうという 「災害倉庫的な使い方」というのもあるので、燃費やタイヤの消耗には不利ですがいつも100〜 200kg程度になるレスキュー用品を積んでいる。特別載せなければいけない物はないと書いたが、 子供は乗せて行かないとかみさんに怒られる(苦笑)。

 冗談はさておき、タイヤは普段の通勤タイヤ(今はBSのオールテレーン)をクロカン用タイヤに 履き替えないと話は始まらない。現時点では、腕を磨くのに最適な(←強がりです)BSの ジープサービスしかないので仕方なくそれを履いて出撃です。フィールドに着いたら、私の場合は 一般的なランクル70系では付いているフリーハブのダイヤル回しという儀式をする必要がない (ソリッドハブフランジを着けて直結にしているから)。せいぜい、無線のアンテナが林道中の 樹木と干渉して破損しない様に傾ける程度である。

 さてクロカンをする前には私の車の場合だと右のドアを外します。30秒もあれば完了です。左の ドアは子供が助手席に乗っているのでほとんど外す機会はありません。さらに、私の車は会社より 「純正のテールレンズを付けること」と言い渡されているのと、スペアタイヤを車内に入れてしまう と、リアシートが使えなくなったり、荷室にレスキュー用品を入れるスペースが無くなるので、 仕方なくスペアタイヤをテールゲートに付けたままにしていますが、これのせいで70系のボディで 一番ダメージを受けやすいリアのコーナーに一つで8000円以上もする高額なテールレンズを付け なければいけません。皆さんがよくやっているようにスペアタイヤを外してテールゲートのぶつけない 場所にレンズを埋め込んで・・というのは使えません(前はしていたけど)。そういうわけで、 テールレンズもとっとと外します。これも小細工を施して、簡単に着脱出来るようにはしています。

 話は少し脱線しますが、たまに「テールレンズを外してクロカンしていたら、暗くなった時に 困るだろう?」って言われますが、テールゲートにランプを埋め込んでいた跡はそのまま残している ので、玉を付けてコネクターを繋ぎさえすれば今でも一応、応急的には使える。そういう人には 逆に「貴方は夜になってもクロカンしているわけ?」と容赦なく聞くようにしています。以前、 どこかでも書いたが、ナイトクロカンは基本的にしてはいけないと思っている。ちょっと通り過ぎる だけで、極力静か〜に移動する分くらいなら問題ないだろうと思うが、山間では驚くほどエンジン音 は遠くまで聞こえる。以前「岡山県ならナイトラン出来るような場所はないだろう」と書いたが、 どうやらその範囲は兵庫県、鳥取県、島根県、広島県辺りまで広げる必要がありそうだ。半径10 kmほども無人の場所が中国地方や近畿地方にあるとは思えない。私のホームグラウンドである 場所も、そこの地元の者が(主にジムニー乗りが原因らしい)ナイトランでパンパンいわせるので 問題になっているそうだ。実際、地元民との間にトラブルを起こして、あわや閉鎖か?という処に まで追い込まれたそうだ。自分のHPの表紙でゴミを捨てて帰ったマナー違反な四駆乗りに警告する ような文章を書いているが、ナイトランや飲酒クロカンもその対象にするつもりなので、これをもし 見た人は覚えておいて下さい。身内や有名人だからというって容赦するつもりはありません。

 話が脱線しすぎたので元に戻します。私の今の現状では夜になってもクロカンすることは考えられ ないので、クロカンのときは容赦なくテールレンズを外しています。さらに状況にもよりますが、 タイヤの空気圧調整をします。ですが、最近はタイヤの空気圧調整はほとんどしていないですね。 少し前までは、ジープサービスでクロカンしていたら通常は路面状況や「本気度」にもよるが、 1.0kg〜1.3kg付近の空気圧で走っていました。その頃にはトライアルにも出ていたという のもありますが、SSなどでブッ飛ばしてゴールインしてみたら、着地の弾みでフロントの二輪とも にパンクしていたとか、野蛮なアクセルワークでゴリゴリと走った後でタイヤを見たら、タイヤと ホイルがズレていてバルブが首チョンパになってチューブがダメになったとか、ウインチで 無理やり方向転換したり、V字溝で埋まった車を引っ張り出したらパンクしていたなどということ が割と頻繁に起こってました。その頃は「チューブも消耗品だろう」と何気に思っていたので、 下手すると年に10回近くはタイヤ屋に通って、パンク修理をしていた時期もありました。

 タイヤの修理はここ3年ほどで激減しました。せいぜいあっても釘を踏んでチューブに穴が空いた という程度で収まってます。ホイルを純正テッチンからブラVの6.5Jに変えたので、チューブの バルブが地形と干渉しての「首チョンパ」は防げれるようになったというのもありますが、それでも 低圧使用で無理をさせると、タイヤとホイルがズレて、バルブが破損することもあります。ちょうど 3年ほど前はSATを履いていたので、空気圧を1.5kg付近でもジープサービスの1.0kg よりは掻いてくれたので、その頃からあまり走る前の「プッシュー」という儀式をしなく なったというのもあると思います。たまにMT2辺りの比較的出来のよいラジアルタイヤでクロカン している方の中には、(私としてはちょっと信じれないが)チューブレスでそのままクロカンして いる方も割と多くおられるみたいだ。重量車も多いので、少し無理したらすぐビート落ちしそうで 見ていても怖いのだが、やはり空気圧はほとんど落とさずに走っている。それでもちょっとだけしか 空気圧を落としていないジープサービスよりはマシに見えるが(笑)。

 最近はまた出来の良かったSATからジープサービスに逆戻りしてのだが、同じ感覚で空気圧調整 をせずに走ると掻かないので困ることが多い。それでも最近は「なにがなんでも走破出来なければ いけない」というふうには思っていないので、ダメならダメな状態を楽しむようにしている。 それでも先日は雨の中、ホームグラウンドに走りにいくと、そこはツルツルの岩盤が剥き出しに なったヒルクなどもあるのだが、パンパンにエアを張ったままのジープサービスで走ると弾かれて、 ラインも全く思い通りにとれないのでヒヤヒヤもんだった。めずらしく空気圧を1.3kg付近まで 落とした。今でも走る目的が誰かと走破性を競う「クロカンバトル」だと迷うことなく最初から エアをキッチリと落としている。

 つい最近、自分のBBSで「(スワンパーより)2分山のMT2の方が扱いやすくて驚いた」と いう書き込みがあったので思ったのだが、スーパースワンパーやエクストリームトレッカーなどと いう極悪タイヤも空気圧を調整しなければその能力をフルに引き出すことは出来ない。エアを パンパンに張ったままだといくら極悪タイヤといっても、MT2などの比較的出来の良いラジアル タイヤのようにトレッドやサイドウォールがある程度は柔軟に動いてくれて、そこそこグリップし てくれるようなことは期待できない。逆に極悪タイヤの方がおおむね直径が大きくてタイヤ自体も 重いものや硬い構造の物が多いので、エアを張ったままだと弊害の方が多そうだ。やはりせっかく 極悪タイヤをクロカンで使うなら、毎回キッチリと空気圧調整は行った方が無難だと思う。

 私みたいに「少々グリップしなくても構わない」というのであれば、極悪タイヤでなくともそこら へんの安いトラクションタイヤやクロカン用タイヤとは名ばかりのオールテレーン的マッテレタイヤ でも履いていれば良いのである。極悪タイヤなら極悪タイヤらしく、キッチリと空気圧を落として やって、その爪を「ブリッ、ブリッ、ブリッ・・・」と嫌な音をさせながら、私達がジープサービス やゲタヤマ辺りで喘ぐその横をアイドリングでゆるゆると通過するなんてことやブンブンと廻して 野蛮なトラクションを発揮させて後ろで指をくわえて観ている私達に泥を浴びせるなどという使い方が もったいなくなくて良い。その代わり、前にも書いたが過度に空気圧を落として走ったり、空気圧に あわせた走りをしなかった場合などではタイヤとホイルがズレたり、タイヤのビートから泥などが ホイル内に進入してチューブを痛めるなどというトラブルは多発させることになるので、そこら へんは経験が必要になってくると思う。またビートロックホイルなどというのもあるので、駆動系を 痛めない自信のある方や、痛めてもどういうことのない経済力をお持ちの方はそれを使われてみると いうのも手かもしれません。

 タイヤの低圧使用後は必ず元に戻す必要があります。人によってもいろいろと工夫されているみた いだが、安物のエアコンプレッサーを複数用意しておいて同時にエアを入れて時間短縮や壊れた ときに対処する人、ARBなどの高額エアコンプレッサーで一気にエアを充填させる人、大型の エアタンクに前もってエアを充填させておいてクロカン後にタイヤにエアを充填させる人、クロカン ではそこそこの空気圧に留めておいて、下界に下りてからガソリンスタンドなどでエアを充填される 人、などなど実に多彩です。私は安物コンプレッサーを使っているタイプですが、最近は700円も 出せば安物コンプレッサーだとホームセンターで手に入る。今、自分が使っている物はピストンが 逝かれた物や一方弁が逝かれた物などを3つほど寄せ集めて組んでまた使っている代物だが、案外 メーカーが違っていても、形は微妙に異なるがサイズ的に似ていて、なんとなく組み合わせて使える ことが多いみたいである。将来的には大型のエアタンクを購入して、家にあるコンプレッサーでエア を充填しておいてクロカンに向かいたいものです。

 余談であるが、私の場合はさらに帰る前は外していたドアを取り付けたり、テールレンズを取り つける必要もあるので、もし単騎で動いていない場合は皆よりやや早めに帰り支度を始める必要が あります。やっぱりこういうことをしなくてもすぐクロカンして、すぐ帰れるというのが理想的 ですよね。



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