自分流悪路走破考察


車 高

[2003-10-05]

 またしてもBBSでネタを仕入れたので早速書いてますが(笑)、ほとんどBBSで書くことを 「自分流・・・」で書いているだけというノリですね。やっぱりBBSで書くとログが流されて いってしまって結局消えてしまう運命なのですが、こういうのは残す意志さえあれば延々と消える ことがないので説明の二度手間、三度手間が省けるのはイイ。

 さて題になっている「車高」に関する考察だが(考察なんて偉そうなモンでもないが)、適当な 所感を書いてみたい。私のクルマは購入して1年後にノーマルリーフからオールドマンエミュー に替えた。替えた理由は前に乗っていたロクマルの頃からずっとノーマルリーフだったので 「さぞやリーフやショックを替えてストロークが増えたら走る車になるだろうなぁ〜」という漠然 とした憧れがあったからなのだが、実際、リーフを替えて走破性が上がったかどうかはよく判らない というのが現状だ。以前、「ほぼノーマル」なサスのBJ70幌の某変態教師とよく走っていた時期 があった。「ほぼ」という意味は、ノーマルのショックアブソーバーを黄色・空色のビルシュタイン カラーに塗っていたので「ほぼ」なのだが(笑)。純正な足回りのクルマなのでほとんど走らない というとそうとも言えなくて、単純比較するとストロークの長さだけでいうと1.2倍程度は長い 私の車がてこずるヒルクなどを「スルッ」と登れたりする、なんとも憎たらしいクルマだった。

 あとそのクルマのちょっとした改造ポイントでいうとBJ系の長めなバンプストッパーをP/HJZ 系並みか、もう少し短くチョン切っていたという恐ろしく軽微な改造で、四駆の業界的にいうと 「改造の内にも入らない」改造だったろうと思う。それが不思議とスルスルと走ってしまうのを 当時からイロイロと考えていたものだが、今では次のような理由があったろうと思う。

 一つは「ストロークの長さを縮み側で長く取る工夫をしている」という点である。最初っから 径の大きいタイヤしか履いたことが無い方や、どうイジクリ倒しても縮み側のストロークアップを 図れないクルマに乗っている方には判り辛いかもしれないが、「縮むサスペンションを持つクルマ」 というのは実際に乗ってみると損する事が少ない割に得られることが多いということに気付く。 例えば1輪だけを岩などに乗せたときなどをストロークアップはしているが、車高も上げているクルマ などと比べると安定感が随分と違うことが多い。それとか右前だけを大きい穴などに落とした時 に、対角線のタイヤが「フラ〜ッ」と浮く場合などもあるが、縮み側が大きいクルマだと恐ろしく 落とした時の挙動や浮く高さも抑えれているので「ペタッ」と地面と密着して安定していることが 多い。

 二つ目は「車高が上がっていないので重心も上がっていない」という点だ。上の「サスが縮むこと で得られている安定感」と「重心の低さ」が相まって、どこを攻めても比較的、ラインの自由度が 高い場合が多い。実際にクロカンしていると「転倒が怖くて走れない」という場合が実に多い と思う。この「転倒のし難さ」というポイントはクロカン車にとってかなり重要度が高いと思って いるのだが、一般的にはそうとも思われてないみたいに思う。確かにホイルベースが長くなるに つれて腹下のクリアランス(RBOA)が同じトレッドでも厳しくなっていくので、ロングホイール ベースのクルマほど車高を上げる必要は増えるとは思う。例え少し車高を上げて重心が高くなって いるロングホイルベース車も、前後どちらかに傾ける地形ではショート車に比べて有利なことが 多い(ショート車で50度ほど傾くヒルクなどでもロング車だと30度程度の傾きで済む場合など が多い)ので、「真横に傾く」ことだけ避ければ(もしくはショート車乗り以上の傾きに対する 感を養えれば)ショート車をあらゆる地形で突付きまくることも可能である。実際はロング車で ショート車並みの傾きに対する「耐性」を持っている人はマレなのでが、ロング車では転倒した 時のダメージがショートの比じゃないことや、より「ファミリー的な」使い方を迫られる場合が 多いので仕方の無いことかもしれない。転倒時のダメージを減らす為に100kg以上もあるような ロールケージなど入れていた日には、ロールケージなど入れていないショート車がスイスイ走れる 場所を転倒が怖くて走れなくなる、なんていう本末転倒なことにも陥り易い。

 その他にもサスペンション以外の要因もあったみたいだが、この「転倒する恐れを最大限減らす」 ことの効果は非常に大きいと思う。登れない場合では当然バックダウンというリカバリーが待っている が、私の車も比較的安定感のある部類に入るので平気でバックダウンというリカバリーを積極的に 楽しむ余裕が持てれる。楽しむ余裕が持てれるということはそれを積極的に練習する機会も多く持てれる ということになる。実際、私の場合では登れないと判っている起伏の激しいモーグルのヒルクを 攻めることがあるが、転倒し易いクルマは溝の底に一輪落としただけで「コロッ」とコケたりする のだが、私のはコケないので、別のクルマがコケた同じ地形で同じポースにわざと持ち込んで( もちろんコケた人が見ている目の前でする)遊ぶことなどもある。転倒し易い車で転倒の恐れがある 地形を攻めまくるのは必ずしも腕が上がる近道とはいえないと思う。そういうクルマが攻めている 場合は概ね走破することを重視するあまりアクセル開度も大きめで、当然走行スピードも速い場合が 大半である。例え登れたとしても、その登れた当人に「どのラインを通って登ったの?」と説明を 求めても、傍観者である私以上に正確に答えれる人は少ない。いや、ほとんど無いと言ってもよい だろう。また「走破しなければ恐怖のバックダウンが待っている」というプレッシャーが掛かる 下でそのクルマの性能を使い切るというのは余程の上級者にならないと不可能だろう。何度も 登っている人は「私は上手い!」と勘違いしていることもあるだろうが、実際はもっともっと低い 速度でも登れる場合だってある。

 今の私のクルマはショックアブソーバーのアッパーマウントを持ち上げたりしているので純正の ショックに戻してやると、とてつもなく短足になってしまうので既に「ノーマルに戻す」という ことは不可能なのだが、今となってはもう少しノーマルリーフで腕を磨いておけば良かったと思う。 救いなのは車高や重心のアップは比較的抑えてあるのでノーマル的な良さも「かろうじて」僅かに は残していることだろうか?確かに単純にストロークが長くて助かることもあるのだが、長いことで 損をすることもある。傾いた時などは浮いたタイヤが転倒する反対方向に引っ張ってくれることが あるが、ストロークアップの極端な車はいつまでたっても浮こうとしない(転倒しない方向にクルマ を引っ張ってくれない)ので転倒限界が低くなっている場合がある。転倒限界が低いということは 攻めるラインが限られるということである。その限られたラインで登れた場合も、脚が勝手に動いて くれるので運転手すらどうして走破出来たかとか走破したありがたみが判らないなどという場合も 多い。得てして「ストロークアップが特長なクルマ」というのは「クロカンでの『操作の愉しさ』」 を奪いやすいということが多いと思う。ヒルクなどは、登るラインとリカバリーで降るラインは 前後のタイヤが通るラインも当然違うが、重心が高く、サスセッティングも柔らかく、長いストローク を持っているクルマが攻めているのを観ていると笑える事が多い。自分のクルマでわざと溝の一番底 にタイヤを落として別のラインを探れる場所で(当然転倒とは程遠い)、そのストロークアップが 特長なクルマはビックリするほど傾いてしまって「助けて〜(涙)」などということも実際に過去に あった。確かにツボにはまったらビックリする程の前進力を発揮することもあるのだが、そういう 力を発揮出来る場所は比較的少なかったり、リカバリーが怖くてアクセルを踏み過ぎていたり、 操っている本人も「どうして走破出来たのか説明も出来ない」という、正に「クルマに乗せられて いる」というのを体現していることが多いみたいである。

 クロカンのフィールドに行くとよくモーグルの途中にクルマを入れて「どうだ!私のクルマは 凄いサスストロークをしているだろう!」といかにも自慢したがりなクルマを見ることがあるが、 最低限度のチェック程度はする必要はあるが(私もちょくちょく足回りのチェックでしているが) これもほどほどにしておかないと「サスペンション猿」扱いされても仕方がない。サスストローク のアップというのは実にこれまた「素人受け」の良い改造内容だということを覚えておいてもらい たい人は実に多くいると思う。私もショックを60系の時に使っていた長過ぎる物を強引にそのまま 使っているが、最近は動きが良い分、ブッシュの損耗が激しくて少々もてあましている。やっぱり 何事も「そこそこ」で抑えておくというのが最もクレバーなのだろうと思う。



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