自分流悪路走破考察


「梶原道場開設の決意表明」

[2003-10-08]

 さて、というか何というか、とうとうこの日を迎えました。本当はもう少し早くから道場と名乗って もいいかもしれませんでしたが、なかなか踏ん切りがつきませんでした。まだ自分はそういう器では ないと思っていたのですが、「道場開設」に行き着くまでの過程と「クロカン道」の内容や自分達の 目指す「道」に対する思いなどを少し説明させて頂きます。

 最近では、「クロカン走行」というものを「武道の一種」だと思う様になりました。以前どこかで も書きましたが、「武道」と「武術」では内容が大幅に違うと思っています。日本では明治の代で それまで主流だった「剣術」「柔術」というものが「剣道」「柔道」に変わりました。比較をするのは 少し無理があるかもしれませんが、従来、皆さんが楽しんでいた「クロカン」というものはどちらか といえば「〜術」の域を抜け出てなかったと思うのです、一部の方は「〜術」の域から「〜道」の 域に抜けていたと思うのですが、それは決して一般的ではありませんでしたし、そういう存在そのもの が酷く少数的だったと思うのです。また既に「〜道」の域に達していたと思われる人もおおっぴらに その精神を説くことはしてこなかったのではないかと思います。

 「クロカン術」が長けている人は多くいます。トライアルなどの競技でずば抜けた戦績を残して いる方、たいした走破性のない車もびっくりするほど上手く操って難所をクリアしていく方、 楽しくクロカンを楽しむことに突出している方、豪快にヒルクライムを制覇するのに拘りをもつ 方、キャンバーも含めクルマを壊す恐れのある処を平気な顔でクリアしていく方などいろいろです。 が、そういう上手さというのは「術」に過ぎないと思います。道具・技・知識・経験に頼った「術」 に過ぎないのです。

 残念なことに、四駆乗りでマナーの悪い人はいまだに大勢います。どちらかというと自分も含めて 多数派に属していたんじゃないかと思うのです。自分も過去に酷い事をしたことがありますし、決して マナーの良い聖人君子ではなかったので偉そうに言うことは出来ないのですが、クロカンを始めた 当初に「マナーや礼儀作法などの『基本中の基本』を教える先輩方が極端に少なかったのが四駆乗り のマナーの低さに影響しているんじゃないか」と思うのです。

 自分も小学生の頃から十数年は剣道をしてきました。体格や才能が劣っていたので続けたわりに 弱かったですがそれでも肝心なことは教わった気がします。それは「武道は『礼に始まり、礼に 終わる』」ということです。なにもクロカンのフィールドで会ったからといって慇懃に挨拶して 廻れっていうのではありません。私もシャイなタイプなので挨拶は目礼程度で、こちらからあまり 人に話し掛けることはしてこなかったですし。「礼」というのはそういう意味ではありません。 「礼」というのはどちらかといえば人間が生きていくうえで守って然るべき基本的なことを言って いるのだと(私は)思っています。ですからこの「礼」には「クロカンをするうえで当然守るべき マナー」も含まれているのです。

 皆さんの身の回りにもいませんか?例えばクロカン中にビール片手に運転している人、ナイトラン でパンパンいわせて喜んでいる人、「立ち入り禁止」な場所にわざわざ入り込んで賭けトライアル などをして喜んでいる人、マナー・安全性無視で危険な走りをしている人、自分の職業を反映してる か判りませんが酷く大柄な態度な人、人が走っていると「どいてくれ」という人、後ろで人が待って いるのにどけるとか道を譲るなどという素振りさえ見られない人、などなど・・・。言っちゃ悪い ですが、四駆乗りでそういう「アウトロー」な人の割合は一般世間的尺度で見て多過ぎます。

 私みたいな若輩者でもあえて「こんな言いたくないようなことを言わないといけない」という背景 にはそーゆー「アホな先輩が多かった」というのがあります。クチは悪くなりましすが、「もっと お前ら反省しろよ!ゴルァ!!」と怒鳴りたくなる人(クロカンでの先輩を含む)・クラブも沢山 あります。

 (ちょっと冷静に戻って・・)以上のことが私が道場を立ち上げようと思いたった経緯です。 私自身、それほど行いも良くないですし、後から考えてみたら「しまった!」と思うことが多い おっちょこちょいなので私なんかよりもっと見習ってもらいたい人は大勢いたりするのですが、 「クロカン道」を目指す仲間としてはお互い気を付けながら(注意しながら)、そういう点での レベルを高めあっていきたいと思っています。

 「クロカン道」という内容は「クロカン術に『道』としての考えを加えていく」、つまり「クロカン を通じて、心・技・体を鍛えていくということになる」と思います。小難しい言い方をしなければ 「クロカンをずっと続けていく為には何をしなければいけないか考えることと、クロカンをすること で他人に迷惑をかけない方法をお互い模索していく」ってことになるんじゃないかと思います。

 一応「道場」を名乗りますが、構成員、その他の募集などはしません。ステッカーの配布なども しません。もちろん会費の請求もしません。もし梶原道場に入ろうという希望がある方は 全く大歓迎ですが、「腕」「道具」「経験」などは一切不問ですが「礼節」に対してはやかましく 言いますのでそのつもりでいてください(といっても大した事する訳じゃありませんが)。それと もう一つ社会人としてというか一般的なことだと思うのですが、『貴方は何か他人の役に立っている ことをしてますか?』というのも道場に入った人に対してはやかましく言うかもしれません。 私の場合では(実績は薄いですが)四駆を使った社会貢献の道を模索しているのですが、これなんか は自分の遊びや長所が役に立つかもしれないので「苦労感の無い割に役に立つ」かもしれない良い 手であると思っています。別に「四駆の災害ボランティアに協力しなさい」というのではないので 念のため。地域の防災の役に立っているでも良いですし、社会貢献の度合いの大きい仕事をがんばって いるというのももちろんOKです。

 それから基本的に自分の尻は自分で拭うがクロカンの基本だと思うので他力本願はもちろんNG です。お互いできる範囲で自分の尻は拭えるようにしていきましょう。走り方やクロカンでの嗜好 についてはとやかく言いませんが、「基本的な操作は当然出来ているだろ?」というのは言います。 むちゃなことしてクルマを潰すのは全く本人の自由ですが、それが原因でクロカンから引退だとか、 離婚になったというのでは本末転倒です。最近はそればっかり練習しているともいえるのですが クルマの性能を引き出す操作が出来ているかというのも要求すると思います。つまりこれも無理な 操作ばかりしてクルマを壊す事は「長続きさせる」という点で大きなマイナスとなるので徹底して 叩き込むことになると思います。クルマの種類とか性能だとか故障のし易さなどは一応問いません。 可能な限り安上がりで無理の無い改造程度のクルマの方が腕は磨き易いのですが、それなりにハンデ のあるクルマでも腕を磨くというのは頭を使えばなんとでもなるものです。ただ、あまりにも走破性 が劣っているというクルマは、林道などの後ろから誰か来る可能性のある場所に同行したり、同行する メンバーに迷惑をかけてしまう可能性が大きいと判断したら人間だけの参加とさせてもらうかもしれ ません。

 ここは「道場」というネーミングですが、「〜塾」にしなかったのは「術にばかり拘る集団には させたくなかった」というのがあります。言い出しっぺ(私)が人に教える程の腕は持ち合わせて ない(涙)というのもあります。学生だった頃の剣道の道場の館長は80歳で未だ現役って感じで した。剣道の世界では死ぬ直前まで現役な方も多く見受けられました。今では他に好きなことを 見つけたので剣道からは足を洗っていますが、「武道」の内容は違えども、私もそういう生き方を してみたいと思っています。



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